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富士通レッドウエーブ 船引かおり・まゆみ、矢野優子・良子姉妹 ~後編~
スペシャルインタビューの後編は、シーズン開幕前のトレーニングや、練習中、試合中の水分補給、食事面で気を付けていることなどを聞きました。水を飲ませてもらえなかった昔の苦労話や、アスリートにとって栄養管理がいかに大切かという話を存分に語っています。
2007年に行われる北京五輪予選への思いも、最後に聞きました。
──開幕前の練習メニューは非常にハードだったということですが

- 6年ぶりに同じチームでプレーすることになった矢野姉妹
まゆみ:月曜日は50メートルを10本。これが1セットで合計4セット。しかもすべて8秒以内で走り切らなきゃいけなかったよね。火曜日は室内でアジリティー鍛える練習(障害物を使って俊敏性を鍛える)。
良子:水曜は多摩川周辺の7.5キロのタイムレース。木曜がまた室内で、金曜がトラックで3キロを3本。全部3分40秒以内。
まゆみ:内容、全部覚えてるよねー。
優子:ボール使った練習は、午後しかやってなかったね。
かおり:つらかったなー。思い出したくないもん(笑)
──みなさんは小さい頃からバスケットを続けていますが、「一番辛かったトレーニング」というのは?やはり今季開幕前ですか?
かおり:小学校の時にもっとハードな練習がありました。午前中練習のあと、30分しか昼休みがなくて、食事もできないままに午後練習に突入してました。練習はボール使うものじゃなく、ずーっと走るようなメニューだった。
まゆみ:私も小学校の時かな。午前・午後練習をびっしりやった後にバスケットコートを100周走らされたのが、ホントにキツかった。監督の機嫌が悪かっただけなんだけどね。
優子:私は実業団(ジャパンエナジー)に入って1、2年目かな。三浦海岸の砂浜でタイヤを引いて走るメニューがあったんだ。それでダッシュして、ジャンプして…。それを午前・午後両方だから、すっごくパワーが必要だった。
良子:そうだなぁ…。私は実業団(ジャパンエナジー)2年目くらいかな。毎日吐きながら泣きながら練習してた。チームの全体練習に慣れるのも精いっぱいなのに、こなせなかったメニューを一人で夜中までかかってやってた。ホント、つらかったなぁ。
──現在のトレーニングもかなりハードな内容だと思うのですが、長距離の走り込み練習の時は水分補給はどうしているのですか?
まゆみ:7・5キロとか3キロはタイムレースだから、飲むヒマがないよね。3,40分くらいで走るけど、一気に走りきる。
かおり:マネジャーがボトルを持って伴走してるけど、水飲む時間があれば、走ってる。短距離とかは、何組かに別れてるから、自分が終わったら飲んでます。

- 長年同じチームでプレー。息もピッタリの船引姉妹
──飲み物の中身にも気を遣ったりしますか?
かおり:普段はお茶派なんだけど、冷房がない体育館だと、汗と一緒に塩分も出てしまって集中力もなくなってくるから、意識的にスポーツドリンクを飲むようにしてる。練習中に疲労感を感じるときも、スポーツドリンクかな。
優子:富士通に移籍してきて、みんなが飲料に気を遣っているのを見て、自分の意識も変わってきたんだ。見習わなくちゃって思う。前は、練習中に飲むといえば、水だけだったから。今は、妹(良子)にもアドバイスをもらったりして、筋肉疲労を残さないように飲み物にも気を遣うようになってきたかな。
良子:私は体調やその時の自分の中の感覚だったりで、お茶にしたりスポーツ飲料系にしたり。
──試合中、飲料のボトルの中身はどうなっているのですか?
良子:チームのボトルで、水、お茶、スポーツドリンクとかいろいろ用意はして、後輩たちが好きそうなものを渡してくれる。みんなそれぞれ好みがあるもんね。
まゆみ:私は試合中は、水分補給だけじゃなくスタミナのことも考えて飲むものを決めるんだ。1リットルは試合中に飲みきるようにしてるし。それで飲み過ぎってことはないよね。
──バスケットはかなり汗をかくスポーツだと思うのですが、「水を飲んではいけない」と言われた時期もありましたか?
かおり:小学校の時は飲んじゃいけなかった。中学時代は飲んでも水道水。試合の時はスポーツドリンクを自分たちで持って行ってたね。
まゆみ:試合の時だけは、ちょっと豪華にね(笑)
優子:私の高校時代は、先生が「飲んでいい」って言うまではダメだった。休憩が2分とかあっても、それは休憩だけ。先生が「いい」って言うのを忘れてる時にはこっちから「いいですか?」って聞くんだけど、機嫌が悪いと「ダメ」って言われて。練習が終わるまでずっと水を飲めないこともあったよ。
まゆみ:厳しいねー。
良子:私も姉と同じ高校ですが、入学した時は、もう先生が変わってたから、そこまできつくはなかったです。

- トヨタから今季、富士通へ移籍してきた矢野優子
優子:練習終わると、水道にダッシュだった。だって、下手したら6、7時間の練習中、一度も水を飲んだりできないんだから。仕方ないから、Tシャツにしみこんだ汗で唇の乾きを潤して。
まゆみ:やってたなぁ。
優子:国体のためにコーチを呼んでいたんだけどね、そのコーチは顧問の先生が水を飲ませているだろうと思ってたみたいだし、先生はコーチの許可がなければダメだと思ってたみたいで、かみ合ってなかったというのもあるみたい。
かおり:私は、大学時代、あまり水は飲むなと言われていて、基本的に飲めなかった。でもやっぱりノドは乾くし、唇は乾くし。汗はもう味もしなくなっていたから、乾きを潤すために、自分の腕とか首筋とかの汗を口に含んでた。
まゆみ:大学時代に脱水症状を起こした後輩がいて、それ以降練習中に飲むことが許されるようになったんだ。愛知学泉大の体育館は冷房もないし、涼しい北海道から出てきた私にとってはホント辛かった。練習終わると体重が3キロ減ってるなんてことも普通にあったし。
かおり:今は練習で体重が減っていくのはダメときちんと言われているけどね。昔はそうじゃなかったよね。
──ご自身の経験を踏まえて、将来的に指導者になったとき、どういったタイミングで水分補給をするように指導しようと考えますか?
良子:個人個人によってノドの乾きや疲れには違いがあるから、自分のいいペースで水分補給をするのが一番だと思うよ。
かおり:そうだよね。私は飲む量が少ないから、周りに心配されるけど、無理矢理飲まされても体が動かなくなっちゃうから。
良子:バスケットは全員が同じだけ動くというわけでもないし、ポジションによっても違うだろうしね。
──水分だけでなく、普段の食事から栄養バランスは気をつけてますか?
まゆみ:私は大学時代に家政学科だったから、栄養面はすごく気になる。大学時代は貧血と診断されたこともあって、毎朝レバーを食べていたし、ご飯をはかりで量って食べてました。しっかりカロリー計算されていたから、高校時代は170センチで47キロだったのが、大学時代の4年間で15キロぐらい太ったんだ。でも、その経験で食の大切さがよくわかった。それで、プレーも変わったし、走れるようにもなったんだから。
良子:今のチームは基本的にみんな食べるよね。でも、下級生は食べない子が多い。やっぱり試合に出ている人は、体力もいるし、考えながら食べているという感じはする。

- 持ち前の明るさでチームを引っ張る船引まゆみ
──女性は間食したいなーという誘惑にかられることもよくあるんじゃないですか?
まゆみ:お菓子も食べるよね。肌荒れもしちゃうから、夜中に食べないようにして昼間食べるとか気にしてはいるけど。
良子:まゆみは練習前におかし一袋とか普通に食べてくるよね。気持ち悪くなっちゃいそうで、私にはできないなぁ。
かおり:私は食べるとしても果物かな。
優子:なんか最近はあんまり食べなくなったかも。でも、疲れてる時にちょっと甘いモノとか、自分が頑張った時にはご褒美にケーキ食べるとか。やっぱり、栄養バランスは大事だし、甘いモノを適度に食べるのも大事だよね。
──さて、来年には08年の北京五輪の予選が始まります。
良子:はい。私はやりますよ、もちろん。代表入りと五輪出場を目指します。
まゆみ:私は……(苦笑)。でも、まずはみんなでチームで、頑張ろうね!
良子:そうだね。まずは会場に来てもらって、バスケットの楽しさを観客のみなさんにもっともっと知ってもらえるように、頑張ります!
トレーニングと水分補給、栄養バランスは、アスリートにとってはとても大切だということを4人とも真剣に語ってくれました。同じチームに2組も姉妹がいるというめずらしいチームは、開幕から好調をキープしています。ぜひ、みなさんも会場に足を運んで、生でバスケットを楽しんでみてください。
