このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > ライフ > 釣り > 関東&東北 > ニュース



関東&東北釣り情報

外道メカジキ!!謎の35・5キロ/年間大賞

ls-061231-1.jpg三階さんは50・5センチの超特大アジをゲット

<06年度年間大賞:船ブロック19地区>

 「06年度年間大賞」もいよいよ最後の発表です。今回は船ブロックの東京湾から伊豆諸島までの計34地区を、一挙にまとめました。ラストを飾るのにふさわしく各地で大型や数で好釣果が出ており、中でも特筆ものは福浦地区でゲットした35・5キロのメカジキです。ほかにもイシナギやシマアジなど目をひく記録にスポットを当てて紹介します。

◆6月18日=福浦「恵一丸」メカジキ35・5キロ 小沢明彦さん(41)

 釣りでは、ときには想像もしていなかった<とんでもないもの>が掛かることがある。特に未知の要素を秘める深海の釣りでのことが多い。小沢さんの場合もそう。「よもやこんなもの掛かるとは夢にも思っていなかった」と、いまなお興奮しながら語る。

 この日はアコウダイ狙いで福浦東沖に入った。釣り場の水深は580メートル。単純にいえば、東京タワーの長さ以上に深く、仕掛けの上げ下ろしに10分…20分もかかるのはザラ。オモリが底に届いたら、底から2メートル上に浮かせてタナを取り、これをキープしながら置きザオでアタリを待つ。海は強風に見舞われ、大波小波で船も大揺れ状態。むなしく時間はすぎていき、釣り始めから3時間半後の午前10時ごろ、いきなりサオ先にガツンッ!という衝撃があって、次にギュギューンッと激しく引き込まれた。アコウダイとは明らかに違う。

 小沢さんは、すぐにサオを立てて、電動リールのスイッチオン。しかし、10~20メートルぐらいは簡単に巻き取れたが、次にそれ以上出ていく。時折、糸が横走りして「最初は巨大なアブラボウズと思ったが、上にくるほど横走りするので違うし…。正体はまったく不明」状態で電動リールのやりとりを続けた。30分もしないうちに電動リールのモーターが焼けてしまい、機能不全。ついに手巻きで対応するしかなくなった。

 それからが大変! 巻いてもすぐに糸が出ていくというパターンが延々と続き、だましだましやりとりを繰り返しながら1時間余り。相手が海面下に姿を現すと顔にはツノが…。「見た瞬間、カジキだと分かったが、なんで? という思いも」持ちながらビックリしつつ体はヘトヘト…で、船長らがギャフを掛けて2人掛かりで引き上げる光景を眺めていたという。

 その後、アコウダイ狙いで3回流したが、こちらは1匹釣れただけ。メカジキはそのままでは持ち込めないため、船上で解体したそうだ。

 アコウダイなど深場の釣りでは、たまに名前もない深海魚などが掛かることはあるが、メカジキというのはほとんど例がない。カジキの仲間で、普段は表層にいることが多い魚がなぜ、深海に? しかもハリ掛かりしたのはナゾ? 

 ちなみに小沢さんがハリに付けたエサはイカの短冊の紅染めだった。

 「いまだに記憶に生々しくよみがえる出来事だった」と話す小沢さんは、釣り歴30年余り。小物や防波堤の釣りにイカやワラサなども狙い、何でもやる。中でも回数が多いのは「何が掛かってくるか分からないミステリーな面が面白い」深場の釣り。アコウダイなどは「食べておいしいから好き」で当然、メカジキも食べた。小沢さんは居酒屋を経営していて、刺し身や煮付け、フライなどにして店でも振る舞い、特にフライが好評だったそう。「もう2度と体験はできないと思うが、これからも釣りは続けていく」と付け加えた。

 ▽現認者「恵一丸」山田隆一郎船長(50)の話 アコウダイの外道でメカジキが釣れたなんて私も初めてです。港の老漁師の話では過去、それもかなり昔に2~3回ぐらいは職漁船が釣ったことはあるそう。それだけに希少価値のある年間大賞でしょう。それにしても小沢さんは枝ハリス16号でよくぞ釣り上げました。強引なやりとりをしていたら間違いなくハリスを切られたバラシていたと思います。電動リールのモーターが焼けたためにムリせず、慎重にやりとりしたのがよかったのでしょうね。小沢さんの執念に敬服します。

◆5月31日=走水「広川丸」マアジ50・5センチ 三階紘一さん(63)

 釣り人には、一つの魚種にこだわる例もかなりある。三階さんの場合はマアジ。それも潮の流れが極端に速い走水という場所にこだわる。

 一般にアジは深場を独特のビシ(コマセカゴ)を使って攻めることから<ビシアジ>とも呼ばれ、大抵の地区では船を流しながら狙う。ところが、走水では潮況の関係でアンカー(イカリ)で船を固定する。だからコマセワークや仕掛け、釣り方も含め独特で、それだけに味わいも違い、面白さでもある。そして、何より40~50センチの特大級というサイズに魅せられているというのだ。

 ただ、それが50センチ以上になると、年間のヒット率は極端に低い。だが、三階さんはこの日、第1投目に50・5センチをキャッチしたのだ。

 「広川丸」の早朝便で出漁し、水深70メートルラインでサオを出した。仕掛けも独特。早朝ということで周りはまだ暗く、サオ先から糸の部分が見にくい。ときには仕掛けを巻きすぎてサオ先のガイドにぶつかり折ってしまうことも少なくない。三階さん自身の考案でつくったビニールクッションやクサリはそれを防止するためのものだ。

 コマセワークは、仕掛けが底着後、2メートル上で1回、さらに1メートル上で1回、計2回、それも軽く振り出す程度でタナへ運ぶ。走水は潮流れが速いため、強く出すと流され、逆にエサ取りとなるサバを寄せる結果になるからだという。タナ取りも3メートル上をキープするため、底ダチを何度も取り直す。

 付けエサもこだわる。2本バリのうち上のハリにイカの赤タン(短冊を紅染めしたもの)で、下のハリにはサバの皮だけを付ける。年間大賞受賞となった超特大アジはこのサバ皮に飛び付いたものだった。

 それほどこだわりを持つ三階さんだが、50センチオーバーをゲットした時は「やった」という気持ちで心躍ったそう。これまで50センチ近いものは何匹も釣っている。それでも大物は「素直にうれしい」と話す。

 ビシアジ釣り歴は25年。相模湾にも通ったが「相模湾のアジは力士、走水のはプロレスラー」と言う。走水のアジは潮流れがきつい中で育つから筋肉質という意味。これも走水にこだわる理由の一つ。「釣りは気持ちのリハビリ」とする三階さん、「今後も走水のアジを釣るための研究は続ける」と力強く語った。

 ▽現認者「広川丸」広川勝福船長(62)の話 走水は特大級アジが看板で、過去には60センチクラスの実績もあります。さすがにここ数年はヒット率は低くなっていますが、それでも50センチ前後のものは年間で何匹か出てます。今年は三階さんの50・5センチが最大でした。三階さんは仕掛けや釣り方など、かなりこだわりを持っていて、それだけに絡み防止のクサリとか、いろいろアイデアを提供してくれて、周りの人たちにも教えたり、とても面倒見のいい人。初の年間大賞受賞はこちらもうれしいです。

◆3月28日=伊東「妙法丸」シマアジ6・7キロ ほか9月12日もシマアジ5・4キロ釣るなど年間好成績 林富士雄さん(57)

 各地の釣り宿には、常連で年間を通してコンスタントに好釣果を出している人がいる。「妙法丸」では林さんがその部類に入る。今回の受賞理由になっている一つには、シマアジの型ものを2匹仕留めたことが大きいが、ほかに釣行の度にワラサやマダイにイサキなど平均以上の釣果を収めていることもある。ちなみにシマアジは3月の例を振り返ってもらった。

 釣り場は伊東南沖。水深30~40メートルラインで最初、イサキがボツボツ掛かり午前10時ごろだった。イサキ用の3本バリ仕掛けで、底から7メートル上のタナを目安に2メートル刻みでコマセを振り出しながら指示ダナへ運び、手持ちザオでアタリを待つ。置きザオでは対応が遅れるからだそうで果たせるかな、突然、ガツンッ! ドラグを緩めに設定してあったリールからラインが飛び出し、一気に60メートルまで出た。

 これには本人もビックリだが、周りの人たちも「大物」の判断からサオを上げて協力。あとは船長が魚の引き具合を読みながら船を近づけるなど船内中でバックアップ。林さんも「これだけ協力されたらバラすわけにはいかない」と懸命にやりとりを続け、10分後、海面下に姿を現したのがシマアジだった。

 取り込んで魚を見た時、震えたという。口にはしっかりハリが掛かっていたが、それは伸びていて、バレる寸前だったからだ。

 林さんは、釣り仲間から「バラシの林」とニックネームをもらうほどバラす率が高かった。それが今年は9月にもシマアジの型もの(5・4キロ)をキャッチし、ほかに2~3キロクラスも含めれば年間で15匹ゲットしている。

 林さんの釣り歴は30年余り。マダイからメダイ、イカなどターゲットは多彩だが、今年ほど好釣果が持続できた年はないそう。シマアジにしても、ご本人によれば<当たり年>の成績なのである。

 「妙法丸」では、さらに釣果もコンスタント。12月は26日にも初島海域を狙って、ワラサ2匹にマダイ4匹の好成績。魚は食べるのも好きで、家にはマイナス60度の冷凍庫があって保存も万全。

 そして「釣りは人生の一部になっている」と言い切る。自営を営むが、仕事で欲を出すとダメなことが多いし、釣りも無欲でやった方が好釣果につながるという。年間大賞の受賞も「私みたいなものでいいの?」と、あくまでも謙虚。その無欲な釣りを今後も続けていくという。

 ▽現認者「妙法丸」太田潔船長(63)の話 林さんは、特に細いハリスでやりとりでできるマダイが好きみたい。とにかく、よく釣ります。魚の食いが渋ったら、どのように対処したらいいのか? それらを含め考えているようだし、シマアジにしても巧みなやりとりがあったればこそ取り込めた。向上心を持っている人で、実際にタナ取りやコマセワークとか、さらに魚をかけてからのやりとりなど、船長が望むピッチで対応してくれます。そんなことがうちで年間を通して好成績を出すことにつながったのだと思います。

◆8月14日=御前崎「博洋丸」イシナギ28キロ 村松誠さん(52)

 釣りでは大物志向でなくても、不思議と大物づく人はいる。村松さんはその典型かもしれない。昨年に続いて「博洋丸」の年間大賞をゲットし、それも昨年と同じイシナギで同サイズの28キロという奇遇ぶり。2年前の受賞を含めれば3回を果たしたことになる。

 ご本人も「私もビックリしてます」と話す。その獲物と遭遇したのは、御前崎沖。朝のうちに釣ったスルメイカを生きエサにして、水深100メートル前後のポイントで底から5~6メートル上のタナをキープしながらアタリを待つパターン。右舷トモ(船尾)2番目にいて、午前10時ごろだ。サオ先にチョンチョン、続いてクンクン、の前アタリの後、一気にサオが元から大きく折れ曲った。

 サオはロッドキーパーにセットしたままリールを巻いたが、巻き戻してはすぐに糸が引き出される<綱引き>のやりとりが続いた。

 村松さんは船にあまり強くないが、幸いにもこの日は比較的穏やかなコンディションに恵まれた。それでも、船酔いの不安は抱きつつもなんとかやりとりを続け取り込んだ後、さすがに体はヘトヘト…。足元に横たわる巨大魚を見ながら思ったそうである、「今年も釣れて良かった」と-。

 イシナギは2年前、38キロを釣り同時に年間大賞も受賞したことで「味を占めて夢中になった」という村松さん。釣りは、18歳のころの渓流釣りから始まり、特に狙ったわけでもなく46センチの大ヤマメをキャッチ。途中ブランクをはさみ30代から海釣りに転向。相模湾などでカワハギやマダイも狙い、特にマダイが好き。年間60日以上の釣行を重ね、今年も年間50匹近くを仕留めている。

 食べるのも好きで、今回のイシナギは「脂が乗っておいしかった」刺し身から鍋物、みそ漬けに昆布締めなどのほかアラはミンチにしてかまぼことサツマ揚げにして賞味した。
 村松さんは「釣りに行かせてくれるうちの奥さんに感謝しながら、昨年の受賞時に次の目標は50キロ超のイシナギとしていたことを来年は実現したい」と話した。

 ▽現認者「博洋丸」大沢勲船長(62)の話 昨年に続いてイシナギの釣況はいまイチだった。潮況が向いていなかったのかな。イシナギはほかに20キロに届かないものは何匹か出ているけど、そういった意味では村松さんは運が強い。船に弱いのが難点だけど、釣りに対する意気込みは並じゃないよ。なにしろ船に酔っても頑張り通すし、まめさもある。タナ取りも自分のイメージを持って、しっかりやっている。イシナギの釣況も悪いまま続くとは思えないし、来年こそ50キロオーバーを期待したい。

[2006年12月31日 12:49 紙面から]


【PR】


最新ニュース

記事バックナンバー



このページの先頭へ