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ラーメン奉行が行く - 北海道グルメ情報
7坪11席の「動かない屋台」/一平
ラーメン専門「一平」
1930年(昭5)に創業した老舗ラーメン店が15日、76年の歴史に幕を下ろした。JR札幌駅エリアにあって、店主は3代目で63歳。閉店の理由は店主の高齢化と、札幌らーめん共和国が進出した影響と聞く。
このように老舗といえども安泰の時代ではない。実際、老舗のテーマで取材するなどした店すべての店主、店長が売り上げ減、客数減を口にしていた。いろいろ理由はあるだろう。ラーメンやカレーなどは「国民食の代表」「B級グルメの王様」と言われるが、これだけ外食産業が多様化すると、その中の選択肢の1つでしかない。そう思わせる現状だ。
老舗店は常連、固定客を持っていかれる反面、新規やフリー客の獲得が難しくなっているのも事実。とはいえ、「継続は力なり」の言葉があるように、これまで培ってきたものは大きい。若い人は老舗の技、知恵を見習い、逆に老舗は若い人の力やセンスなどを学ぶなど、互いに交流していければいい。そうしてこれからのラーメン文化の発展につながればと願う。
JR琴似駅周辺。この激戦区で、79年に創業したのが「一平」だ。店主は奉行と同じ40年生まれの山宮さん。脱サラし旭川でラーメンを学んだが、「旭川ラーメン」ではなく、ゲンコツのみのトンコツに野菜の清湯系スープ。麺(めん)は旭川藤原製麺だが、加水率がやや多めの中細、縮れ麺だ。段ボールに入って届く麺を年季の入った木箱に、新聞紙やクラフト紙を敷いて入れ替え管理に万全を期している。
具も昔ながらのモモ肉だが、程良い食感で固さの感じない厚さ。メンマも高価な中国製の短冊など、どれも自ら手掛け、手を加えたものを出していることにこだわりを感じる。
古く、また7坪11席と小さい店で、店主の言う「動かない屋台」そのもの。このロケーションも、店の味付けの1つかも。殺虫器と木炭、短髪に帽子と、環境や身だしなみにも気を配る。激戦区だが、周りは一切気にしない。一番の脅威は近くのコンビニという。営業時間も深夜まで1日15時間、中休みも取らず不定休で頑張る。
山宮さんは、あと7年、開店から35~36年は営業し、「琴似に一平あり」と言われるようになっていたらいいなと笑って話す。山宮さん夫妻の人柄もあって、ラーメンの味だけではなく、癒やされる店だ。
◆野坂郡司(のさか・ぐんじ) 1940年(昭15)樺太(現サハリン)生まれ。サラリーマン時代、映画「タンポポ」を見てから本格的にラーメン食べ歩きを始める。札幌を中心に4000軒近い店を食破し「ラーメン奉行」のニックネームでラーメン評論家として活躍中。監修著書に「北のラーメン屋104軒」(イベント工学研究所)がある。札幌市在住。
◇住所 札幌市西区琴似1条1丁目7の1
◇電話 011・641・6886
◇営業 午前11時半~翌午前2時半。不定休
◇駐車場 あり
◇メニュー 塩、醤油(しょうゆ)、味噌ラーメン各650円、カケラーメン550円、野菜ラーメン650円、五目ラーメン800円、チャーシューメン850円。
[2006年6月27日 15:06]
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